19.03.2022
アルコール販売禁止令続報
リヴィウでのアルコール販売の問題が二転、三転している。
今日の午後、軍司令官のマキシム・コジツィキーから、「夜間のアルコール販売の禁止令」が出た。
以前お知らせしたように、リヴィウでは今月の初めからアルコールの販売が禁止されている。
したがって、今回の「夜間販売禁止令」は、「禁止令」ではなく「部分解除令」の性質をもつものだった。
闇販売や非店頭販売が広がり、モラルが低下することを避ける意図があると説明されている。
しかし、この「部分解除」にSNS等に猛反対が出た。
それが影響したのか、夜になってリヴィウのサドヴィー市長から「リヴィウ市内では依然としてアルコールの販売を禁止」する旨の通達が出された。
軍司令部の管轄するリヴィウ州全体では昼間の販売は出来るが、リヴィウ市では時間に関わらず販売出来ないということになる。
リヴィウの家賃問題
東からの避難民増加に伴う家賃の高騰についても、市は既に異常な高値に引き上げた家主のブラックリストを公開している。
これを見ると、例えば、部屋が一つしかない貸部屋に一ヶ月81,614フリヴニャ(今日のレートで33万程度)を付けた家主や、寝室一つの部屋に一泊5,400フリヴニャ(同21500円程度)を付けた家主が挙げられている。
軍事政権も市長も物資や家賃を釣り上げないよう何度も通達を出しているので、こうした「異常高値」は姿を消しつつある。
しかし、異常ではない高値傾向は続いている。
住宅情報チャンネル
Telegramには避難民のための住宅情報チャンネルがいくつも新設されているが、これらを見ると、値をあげているのは東からの移住者であることがわかる。
例えば、「リヴィウで2部屋の貸し部屋を探している。キエフから来たカップル。子供なし、ペットなし。IT系。予算20,000」というようなポストがある。
20,000フリヴニャは日本円で8万円。
月8万は日本なら普通の家賃だし、キエフの中心地でも、それほどの高値ではない。
日本の東京と同じで、首都に住む人は高給取りだ。
キエフやハルキウからの避難民には、それくらいの家賃の部屋に住んでいた人は少なくないのだろう。
そのため、借り手の「予算」は平均して高値になっているだけだ。
しかし、「戦前」のリヴィウはそうではなかった。
そのため、一方で、「部屋を探しています。リヴィウに住んで5年ですが、大家から出ていくように要求されています。理由は倍の家賃を出す避難民を受け入れるからだそうです。予算は5,000ー7,000。助けてください」というようなポストもある。
「避難民」のための住宅情報チャンネルが、追い出された地元民のためのチャンネルになっているのだ。
Price of War
上の画像と下記リンクの映像は昨日リヴィウで公開された「Price of war」。
並べられた空っぽのベビーカーの数はロシアによる侵略で命を落とした子どもたちの数だけ置かれている。
最初に設置されてからも、ベビーカーの数は増えている。