28.02.2022
クルバス劇場が避難民の宿泊所を提供中
昨日(27日)からリヴィウの「レーシ・クルバス劇場」が避難所を提供している。
クルバスの女優Natalia Rybka-ParkhomenkoがFacebookで伝えている。
クルバス劇場は私の一番好きな劇場で、リヴィウに来て以来、毎週のように週末はクルバスに通っていた。
オレフ・ツィオナОлег Цьонаという俳優の大ファンなのだ。
「ゴドーを待ちながら」のポッツォ、「リア王」のリアを見て、魅了された。
この2年はコロナ禍で一度も劇場に行けていない。
コロナが去って、プーチンが来た
コロナがやっと収まりかけて、そろそろ劇場に行きたいなぁと思っていたら、プーチンである。
1月の終わり頃、アリーナに日本語の個人レッスンをしながら、「こういうのを前門のコロナ、後門のプーチンって言うんだよ」と説明した日が懐かしい。
コロナの方がずっとマシだ。
ワクチンやマスクで防げる。
プーチンに効くワクチンがあれば良いのに。
普通の生活に戻れたら、真っ先に劇場に行く。
アルコール販売時間の制限
リヴィウでは今日から、夜6時から翌日12時まで酒類の販売が禁止された。
つまり、正午から6時までしかアルコールは買えなくなったのである。
これまでも販売時間に制限はあったし、日本や欧米諸国と同様、アルコールを買うときは年齢確認もされている。
しかし、今回の時間制限は外出禁止時間とほぼ重なるくらいで、かなり厳しい。
余所者(よそもの)と地元民
このアルコール販売制限には、市民からの要請があったようだ。
リヴィウは今、他所から来た人がとても増えている。
東部やキエフから焼け出されて仕方なくきた人もいるが、そういう人たちはたいてい中心地ではなく、市外や郊外に住む。
もう少し長期的に考えている人なら、隣接都市に落ち着く。
中心地に移ってきたのは国外に出るための足場として一時滞在しているタイプの人で、どちらかというとお金のある人が多い。
だから、そうした人たちを目当てに儲けに来ている人たちも中心地にいる。
せっかくリヴィウに来たんだからと、とりあえず酒を飲んで夜の街で騒ぐ人も、またいる。
治安が悪くなっているのだ。
彼らの多くは東部から来ているためロシア語で騒ぎ立てているらしく、元々のリヴィウ民たちにはこれも苦々しいのだろう。
物価の上昇
戦争が始まると物価も動く。
リヴィウでは、流入民が増えたため部屋の賃貸料が上昇している。
ハルキウやキエフと比べると物価の安いリヴィウだが、今はワンルームでも一泊100ドルとられると友達が話していた。
お金を使えない人は会社やグループのチャットで、無料で泊まれるところを探す。
私のところにも一昨日、知人が休憩していった。
今日は会社のチャットで、女性と子供用の衣料やおもちゃを提供して欲しいというスレッドがあった。
おもちゃはないが服は余っているので返信しておいた。
ポーランドから物資が届いていると報じられているので、数字的には困ることはないはずなのだが、均等には届いていないのだろうか。
日本の人からもウクライナの東部やキエフの同僚からも「リヴィウは何もなくて良い」というようなことを言われる。
しかし、リヴィウには別の形でじわじわと不穏が広がっている。
まだ5日目なのに。
空襲警報は突然に
空襲警報は時を選んでくれない。
今日のリヴィウは朝も昼もサイレンはなく、一日、比較的穏やかに過ごした。
もう大丈夫だろうと思ってFacebookをチェックし、ビールを飲みながら旧友とSkypeしているときに、警報が出ているというお知らせが入った。
話していたので気が付かなかったが、急いでTelegramを開くと、市長からのお知らせは10分も前に出ている。
10分も前だともう外に出ては危ない。
シェルターに行くのは諦め、窓のある部屋の扉をしっかりしめる。
入り口のドアは30度くらい開け、猫たちと一緒に非常持ち出しリュックと猫キャリーを置いてあるバスルームにこもった。
幸い、20分ほどで警報は解除になったが、ビールはすっかりぬるくなっていた。
販売制限になったことだし、これを機会に禁酒しようと思って開けた最後のビールだったのに。
昨日はコーヒーを淹れた途端にきた。
戻るとコーヒーは冷めていた。
一昨日は入浴中にも鳴った。
警報というのはタイミングよく鳴ってくれない、きっと空襲も。