13.03.2022
連日の防空壕
2日続けて早朝から防空壕だった。
昨日は午前5時25分に警報が出て、解除が出たのが7時35分。
これまでで最長だった。
今日はもっと長く、夜中の3時32分に警報が出て、6時34分に解除。
更に、11時21分に再びサイレンが鳴った。
防空壕は寒い
このときは30分程度で解除が出たのだが、運悪く、私は警報が鳴った時にお風呂に入っていた。
しかも、髪を洗った直後だった。
これまでで最悪のシチュエーションの中、大急ぎで髪を拭きながら服を着、猫たちをキャリーバッグに入れ、コートをひっかけてポケットにスマホを突っ込み、リュックを背負って猫キャリーを両手に階段を駆け下りて地下の駐車場に駆け込んだと思ったら、解除警報が出た。
お風呂上がりにセーターを重ね着して帽子をかぶり、マフラーをぐるぐる巻いて走ったので、汗だくになっていた。
以前、防空壕生活の末、肺炎を患って亡くなった赤ん坊の記事を紹介したが、防空壕というのは寒い。
前日の防空壕2時間滞在の後、身体が冷え切って震えがとまらなかったので、思いっきり厚着したのだ。
それでも、何しろヤヴォリウの爆撃の後だったので、「空砲」で良かったとホッと胸をなでおろした。
防空壕に持ち込むもの
私が防空壕に持ち込むのは、リュックと猫さまを入れたキャリーバッグがふたつ、それに書類や財布の入ったバッグ。
うちの猫さまは、おひとりさま6キロありますので、それだけでもかなり重い。
リュックも重い。
リュックの中身はこちら。
リュックに入っているもの
- キャットフード(ドライ2袋、ウェット5つ、おやつ2つ)
- 猫のハーネスに付ける散歩用の紐
- 人間用のシリアルバー
- 人間用の着替え(下着、シャツ、タイツ、レギンス、靴下)
- バスタオル・ハンドタオル・ウェットティッシュ等衛生グッズと医療品
猫用のものが多いのは、大使館のKさんに、防空壕生活になっても人間には食料が給付されるが動物用は給付されるかどうか分からないから準備しておいた方が良いと言われたからだ。
実際、スーパーの棚をみても、人間用は補充されているが、猫トイレのウッドチップが一向に補充されない。
ペットショップでも買えなかった。
それを思うと、猫のグッズは減らせない。
それやこれやで、リュックはだいたい10キロくらいある。
プラス、猫さまたちが合わせて12キロなので、それらを抱えての移動はかなり大変である。
リヴィウのサイレン
リヴィウでは「戦争」開始当初、頻繁にサイレンが鳴った。
しかし、それらのミサイル警報の殆どがリヴィウ地域には到達しなかったため、警報の発令を厳格にし、報告もTelegramの専門チャンネルに限定された。
アプリも提供されるようになったので、警報を聞き漏らすことはなくなった。
あまりにも頻繁に「空砲」が鳴ると、人々の反応が鈍くなる。
実際、多発していた時期には、警報が鳴っているのに防空壕に入らず、のんびり犬の散歩をしている人がいた。
西ウクライナへのミサイル攻撃
しかし、昨日と今日の連日のサイレンはそうしたこれまでの「空砲」とは違う。
一昨日から、実際に西ウクライナにもミサイル攻撃が始まったため、早朝とはいえ地下のシェルターに住民が集まっていた。
11日に西ウクライナのルーツィクとイヴァノ・フランキウスィクの空港が爆撃を受けた。
そして今日、警報が鳴ってから数分後の3時40分頃、リヴィウ州ヤヴォリウの国際軍事訓練施設にミサイル攻撃があった。
ヤヴォリウというのは西ウクライナ人民共和国が設立された土地で、西ウクライナの民族運動を象徴する土地でもある。
軍事施設とはいえ、ポーランドに近く、民族運動のシンボルであるこの地にミサイルと落とすということは、もうゆっくりお風呂に入ってはいられないのかもしれない。