14.02.2022
バレンタインデー
日本の人たちからは、こんな日にウクライナ人は何をしてるんですかと問われるのだが、何をといわれても、私達はいつもどおり、普通に仕事をしている。
「ロシアが攻めてくるとアメリカで報じられている」という理由で、会社はお休みにはならないのだ。
2月14日はバレンタインデーで、しかも、ITワーカーの日でもあるそうで、私が勤めている会社のSlackにはHRマネージャーたちから「Happy Valentine’s Day」のポストが届き、ポストには社員からのリアクションハートが踊っている。
友達からも、ハートや猫イラスト付きのバレンタインメッセージが届いている。
会社のSlackからはその後も3月の音楽イベントや来週の英語講座のお知らせも届いた。
何があっても、何が起ころうとも、とりあえず、普段どおりやることややるというウクライナ人気質が好きだ。
混成プロジェクトチーム
午後はミーティング。
Googleミートでのプロジェクトミーティングでは、やはりいつもどおり、ウクライナのあちこちに住んでいるメンバーが顔を揃えた。
私が働いているプロジェクトのメインメンバーは現在10人。
そのうち3人がキエフのオフィスで働いている。
残り7人のうち、チームリードのトニーを含む2人がハルキウ、私がリヴィウのオフィスに所属していて、あとの3人はウクライナ国内からのリモート勤務。
もうひとりのアルチョームはロシアからリモートで働いているロシア人である。
ウクライナのIT会社はどこもこんなもの。
ロシア人だとかウクライナ人だとか、ロシア語を話すとかウクライナ語を話すとかいったことが問題になることはない。
ミーティングは定時に始まったが、リードのトニーが少し遅れてきた。
時間は一時間、各自が先週の成果と報告、今週の計画を述べていく。
私の仕事は月の始めと終わりが異常に忙しいかわり、中盤は比較的自由時間が多く、報告することもあまりない。
ハルキウに住むトニーが「そっちはどうだ?」というので、「とっても良い天気」と答えた。
実際、今日はいきなり春が来たような良いお天気。
生活はまったくいつもどおり。
誰の口からも「ロシア」のロの字も出ない。
SNSは戦争の場
一方、SNSでは戦争の情報と情報戦争が続いている。
お昼に、市長のサドヴィーから緊急時のライフラインや治安維持に関するポストがTelegramに出た。
キエフでもクリチコ(キエフ市長)が同種の発言をしている。
親露派、反ウクライナのブロガーやインフルエンサーたちがこうした動きを煽り、ゼレンシキーは全力で「平静」を訴えているという構図だ。
大使館からの連絡(続報)
昨日撤退のお知らせをもらった日本大使館から、リヴィウ連絡事務所の解説を知らせるメールが届いた。
以下に転載しておく。
在ウクライナ日本国大使館リヴィウ連絡事務所の開設
- 現在、ウクライナ全土に対して危険情報「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」を発出しています。
- 在ウクライナ日本国大使館は、2月14日付でリヴィウに臨時の連絡事務所を設置しました。ウクライナからポーランドへの陸路退避についてご相談がある方は、リヴィウの同連絡事務所又は在ポーランド日本国大使館までご連絡ください。なお、これ以外についてのお問い合わせやご相談については、引き続きキエフの大使館までご連絡ください。
1 現在、ウクライナ全土に危険情報「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」を発出しています。既に一部主要航空会社は運航を取りやめており、今後、他の航空会社にも運航停止の動きが急速に広がるおそれがあり、空路での出国が困難となる可能性があります。未だウクライナに滞在中の方は、直ちに安全な方法で退避してください。同国への渡航は、目的を問わず止めてください。
2 在ウクライナ日本国大使館(於:キエフ)は、現地情勢の緊迫化を受けて、2月14日以降、大使館の機能を縮小していますが、円滑な邦人保護業務のため、同日付けでリヴィウに臨時の連絡事務所を開設しました。
3 ウクライナからポーランドへの陸路退避についてご相談がある方は、リヴィウの同連絡事務所又は在ポーランド日本国大使館までご連絡ください(連絡先は末尾参照)。なお、これ以外についてのお問い合わせやご相談については、引き続きキエフの大使館までご連絡ください。
4 ポーランドへの陸路入国に際しては、予めポーランド当局との調整が必要となるため、陸路入国を予定されている方については、事前に在ポーランド日本国大使館に対し、以下の事項についてご連絡ください(同行家族がいる場合は同行家族の情報含む)。
(1)氏名(旅券表記)
(2)旅券番号
(3)入国予定の国境検問所名
(4)交通手段
(5)入国予定日
【参考1】ウクライナ・ポーランド間の陸路での国境検問所及び入国可能な交通手段(今後の情勢次第で変更される可能性があります。最新の状況は、在ポーランド日本国大使館又は在ウクライナ日本国大使館リヴィウ連絡事務所までご照会ください。)
(1)Jagodzin-Dorohusk:鉄道又は自動車
(2)Ustilug-Zosin:自動車のみ
(3)Rawa Ruska-Hrebenne:自動車のみ
(4)Hruszew-Budomierz:自動車(3.5tまで)のみ
(5)Krakowiec-Korczowa:自動車のみ
(6)Szeginie-Medyka:自動車又は徒歩
(7)Moscjska-Przemysl:鉄道
(8)Chyrow-Kroscienko:自動車のみ
【参考2】ポーランド入国の際の防疫措置
(今後の情勢次第で変更される可能性があります。最新の状況は、在ポーランド日本国大使館又は在ウクライナ日本国大使館リヴィウ連絡事務所までご照会ください。)
ポーランドへの陸路入国に際し、入国後7日間の隔離措置が課されます。隔離免除の条件は、ポーランド入国前24時間以内に結果が判明した陰性証明に加え、EUが認可している新型コロナワクチン接種証明(規定回数接種後14日経過)または6か月以内の罹患証明(証明はポーランド語または英語表記)の提示です。
【緊急連絡先】
(在ウクライナ日本国大使館リヴィウ連絡事務所)
住所:Premier Hotel Dnister
Mateyka Str.6, Lviv, 79007, Ukraine
電話:+380-50-335-7225
メール:ryouji@kv.mofa.go.jp
(在ポーランド日本国大使館領事班)
住所:ul. Szwolezerow 800-464 Warszawa, Poland
電話:+48-22-696-5005(開館時間(09:00~12:30、13:30~17:00)のみ)
+48-22-696-5000(閉館時間、電話対応は委嘱業者がまずは伺うことになります。)
メール:cons@wr.mofa.go.jp